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猫も杓子もアメリカ生活

夜のナショナルパーク・・・の巻。

やっと、本来の旅行計画に戻った我ら。
少し予定より出発時間が遅れたが、それでも「いやっほお!!」な気分。

レンタカーを借りたPendletonから宿泊したHermistonを通過し
オレゴンからワシントン州へ。そしてひたすらI-90を北東方向へ進む。
見渡す限りの麦畑やブドウ畑、そうかと思えば火星のような枯れた大地。
生き物のように並んで立っている風力発電の風車、折り重なる丘、牧草地、草をはむ牛たち。

やがてアイダホ州入り。
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ひたすら広い大地を超えると、今度は山越え。(ロッキー山脈)
写真の向こうの方にうっすら見える山を越えるのだ。

そして、山道の頂上付近ででモンタナ州入り。
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山を下ると再びどこまでも広い牧草地や麦畑。
ずっと以前に映画で見た「モンタナの風に抱かれて」のシーンを思い浮かべる。

ところで話はそれるが、あの映画ではRV車で馬を乗せるコンテナを引っ張ってNYからモンタナまで走っていたが
この辺ではそんな人が本当に多い。旅先の自然の中で馬を走らせるのだろうか。

私が住んでいる家のそばでも馬をたくさん飼っている家が多い。
昔の北海道の開拓民のように農耕用で使っているようには見えないし、
競馬が盛んなわけでもないし
なんのための馬なのか、ずっと疑問で、ある時ESLのアメリカ人の先生に聞いてみた。

「馬を飼っている家が多いんですけど、あれって食べるためですか?」
ちょっと聞き方が悪かったのか、先生は驚きと軽蔑にも似た表情にかわり
「あんな美しくて賢い動物を食べるですって?!まさか!!」・・・と。
もちろんペットだそうだ。

日本では馬肉を生でたべるとおいしくて健康にもいい話をちらっと話したら、
韓国人の友達にまで「え~!」と非難された。
自分らだって犬食べるじゃねーか!というと、かたくなに否定。
彼らにしてみれば日本人ってのは鯨は食べる、馬も食べる、さぞ野蛮な国だと思うのだろうか。
こればっかりは先人の知恵と培ってきた文化なのだから、価値観の違いは仕方がない。
なにかとお互い様だ。

それにしても一件の家で何十頭も飼ってるお宅は、なんのためなんだ?売るのか?
とまだ疑問は解決していない。
誰か知っていたら教えてください。

すっかり話がそれましたが、本題へ戻ります。

モンタナへ入るとぐっと気が楽になる。
もう一歩だ。・・・とはいえ宿泊先まであと295マイル、約5時間半かかる予定。すでに夕方だし。間違いなく到着は夜中だ。
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途中Kalispellという街で夕食用のサンドイッチを購入。(レストランで食べる時間がおしいので)
そして、宿泊先のホテルに真夜中に到着になる旨電話する。(場所の確認を兼ねて)

本当に深夜23時頃、GlacierNationalParkの西側ゲートに着く。
宿泊先はこのNationalParkを1時間ほど走ってつっきた東側。
こんな真っ暗闇に、断崖絶壁があると思われる山道を行くと思うと、緊張が走る。

ヘアピンカーブや細い道を通り、どんどん山を上っていく。

山の奥、そこに繰り広げられているのは・・・。

なんとも表現しがたい、幻想的な景色。
真夜中、月明かりの山頂のまだらな雪渓が輝いて、この世のものとは思えない景色が広がっている。
少し広くなったところで車を止めて外へ出てみる。

じっと山々を見ていると暗闇の中でも目が慣れてきて、はっきりと連なる山のラインや色、ごつごつした岩肌、吸い込まれるような渓谷、生えている木々、流れ落ちる滝、所々に残る雪、それらが、しーんとした月明かりの元、鈍く輝いている。

しばらく見つめる。

写真を撮ろうという発想など浮かばないほど、力強く神秘的な景色だ。

遠くに聞こえる水の流れる音や木々のざわめき、ひんやりした清冽な空気が私たちを包みこむ。

宮崎駿映画のように、間違いなくこういう山々に、山の神や、妖精のようなものがそっと住んでいるように思われる。

ここにこれたうれしさとは矛盾するが、本当はこんな風にたくさんの観光客が来てほしくないのだろうなとおもう。
でも、アメリカの国立公園は日本の観光地と違って、とても自然の真の姿を保つべく
また、そんな自然の姿を楽しみたい人間とバランスよく共存できるようによく考えられていると思う。
意外と国立公園にやってくるアメリカ人たちも動物を驚かせたり、ゴミを捨てたりはしない。

そんなこんなで、無事宿に到着し、長い一日が終わった。

山のロッジらしいあたたかな雰囲気の部屋で、ふたり一杯飲んで就寝。
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by yumi_nyago | 2008-08-30 04:42 | 氷河を見る旅
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アメリカ駐在会社員の妻が日々格闘する、はちゃめちゃライフ

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